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カリスマ・タクシー運転手下田大気(志茂田景樹の二男)が伝授する年収800万円を稼ぐ虎の巻

どこの駅前でも空車待ちがずらりというタクシー業界にあって、脅威の年収を稼ぎ出しているのが、この人。直木賞作家の父に頼ること無く、さまざまな職歴を経てたどり着いたカリスマドライバーの「独自の戦略」とは・・・。
ちょっとした工夫で、人生もビジネスも好転する。平均年収400万円とされるタクシー業界で、800万円を稼ぐ"カリスマ・ドライバー"下田大気さんnが『タクシーほど気楽な商売はない』(光文社)を上梓した。

父譲りの過激さを武器に

下田さんは直木賞作家・志茂田景樹氏(72)のご子息でもある。父は36歳で作家デビューし、奇しくも、大気氏もこの8月に36歳になったばかり。「父の背中を追い掛けてきた」とも語る大気氏の処女作は「~気楽な~」だが、ここに至るまでの道のりは、まさに波乱万丈。そんな大気氏が「ビジネスで成功した秘訣」を語ってくれた――――。

「もともと、タクシー業界には興味があったんです。昔良くしてもらった先輩に久しぶりに連絡したら、今、タクシー運転手をやっていると。タクシーってすごく身近で、よく利用するじゃないですか。でも、業界の中のことはよくわからないですし、タクシーに乗っていて、運転手さんのコース取りというか、走り方やポジション取りなんかでいらいらすることもあったんです。自分だったら、こういう走りをするのにって。そんなことがあって、自分もやってみたいなとは思っていたんですね。そこで先輩に『(タクシー運転手に必要な)二種免許を持っていないんです』と聞いたら、『会社が出してくれるよ。教習所に通っている間も日当をくれる』って教えてくれたんです。さらに「今だったら、入所祝いで10万円出してくれるよ」って話まで(笑)。 あと、やっぱり「腕一本」で稼げると聞いたんで」 高校時代、矢沢永吉主演のドラマ「アリよさらば」(TBS系)で、俳優デビュー。当時、志茂田氏がレギュラー出演していた「笑っていいとも!」(CX系)にも出演したが、その後夕レントとしては伸び悩んだ。イベント会社、サプリメントの製造販売、貴金属販売、芸能プロ勤務などの職を転々とし、起業した会社の経営に失敗し、自己破産も経験したという。 自ら芸能プロダクションを起こし、父・志茂田氏や料理人の金萬福氏らのマネジメントに携わるも、「このままやっていても、先が見えない」と、人生に一抹の不安を感じていた。タクシー業界のことを知ったのは、そんなときだった…。

――父・志茂田氏もファッションが派手でしたが、大気さんも髪を染め、ロックシンガーのような革手袋をしています。そんな格好で運転をしていたら、お客さんもビックリするのでは?

「お客さんは一瞬、『エッ!?』つてなりますよね。でも、自分なりにしっかりとした接客を務めているつもりなので、好印象を抱いていただくこともあります。一度乗っていただいたお客さんには忘れられないのか、『この間も乗りましたよ』って言っていただくこともありました。私の勤務する東京無線は、髪型に関する規定はなく、清潔感のある身だしなみなら、メリットの方が大きいですね」

――ズバリ、ファッションはお父さんの影響?

「そうですね。高校時代、父親のスーツを借りて遊びに行ったこともありました。やっぱり周りとは違う相だったので、目立っていましたね(笑)。一度、(私生活で)タイツファッションをやってみたんですが、父親がテレビでそれを穿いていたころは、ちょっとピッタリでしたよね」

――志茂田さんは、どんなお父さんなんですか?

「タクシー運転手になったのも、事後報告なんです。いつも、全部自分で決めちゃって、事後報告…。父も36歳まで色々な職を転々としていたので、何も言わないですね。自分のやりたいようにって。父も定職に就かず、母親に食わせてもらっていた時代もあるみたいで、そこらへんは寛大です。芸能プロをやっていたとき、『今、こういうのをやっているんだけど…』と相談をすると、自分のマネジメントをさせたりとか、そのへんは協力してくれました。

会話?あんまり、ないですね。僕の幼少時代、父は忙しくて自宅に帰って来ていなかったんで、僕もどう接していいのかわからない部分もあったんですね。普段の会話はありません。『今、こういうことをやっている』という会話程度ですが、母親から色々と情報も行っていて、気には止めているみたいですね」

――タクシーの業界は、不況で厳しく、体力的にも大変だと聞いていますが?

「本には『気楽』という夕イトルをつけましたが、1日の拘束時間は、前後を含めて20時間くらいです。でも、1ヵ月の勤務は13日なんですね。あとは休みみたいなものなんで、その時問を有効利用する人にとっては凄くいい商売ですね。だから、二足の草鞋を履いてやっている人もたくさんいますね」タクシーの指導係の話によれば、『1乗務の売上げは平均4万円、6万円を超えればトップを取れる』という。下田氏は初出勤の営業で、6万円を確保し、いきなり社内2位に。2ヵ月の合計でトップとなり、1年後には業界トップクラスにも躍り出た。では、どうしてドライバーの平均年収の2倍にあたる800万円も稼ぐことができたのか?「初日の業務を終えたとき、『これはいけるぞ』って(笑)。一業務目なんで、何も考えずに走って」

時間マネジメントが重要

――その後、順調に業績を伸ばしたのは、何か「秘訣」があったんですか?「最初はとにかくお客を乗っけようと思ったんですよ。ひたすらお客を乗っけて、回数を多くしようと。だから、人の多い繁華街に行けばお客がいるだろうと思って、新宿・歌舞伎町を中心にずっとやっていたんですね。それから、良いイメージで自分なりに色々な方法を試して…」

――色々な方法とは?

「それは歌舞伎町の住人、そこで働いている人、遊んでいる人、その近辺で働いている人って、(利用距離が)近場なんですよ。歌舞伎町から『A地占にに送ったら、また歌舞伎町に行かなければならない。また歌舞伎町に戻らなければ、お客を乗せられないんですね。そうすると、『効率が悪いな』つて思い始めたんです」

――トップクラスの成績に満足せず、仕事内容を再検討したということですか?

「気が付いたのは、効率の悪さですね。思い直してみて、「昼間にタクシーを使う人って、やっぱりサラリーマンなんだろうな」って。今度はサラリーマンを相手にする商売をしよう、と。で、エリートサラリーマンのいる場所って何処なんだろうって…。丸の内、大手町、新橋、あの辺りだろうなって。あの辺にクルマを移動するようになったんですね。そこで気付いたことは、たとえば、大手町で拾ったお客さんを新橋で降ろすと、大手町に戻らなくても新橋にお客さんがいるんですよね。繋がりがあるじゃないですか。歌舞伎町時代は歌舞伎町から『A地点』に送って、また歌舞伎町に戻らないといけなかったんですが、行って帰る時間を仕事に回せるようになったんですね。循環できることに気付きました」卜なるほど。では、失敗したことは?「もちろん、あります。お客さんからコースの聞き間違いですどか…自分勝手なコースを行ってしまい、怒られたこともありました。なんとなく、あの場所、あのところのことを言っているんだろうなと思って行くと、実は似たような名前があって…。わからなけれぱしっかりと『教えていただけませんか』、と聞き直すべきでした。あと、酔っぱらいの扱いですよね(笑)」

――お客さんも色々いるのでしょうが…?

「仕事柄、それは仕方ないと思っています。こちらとしては「本当にすいません、私の間違いで」と謝罪して…。謝っていれば、ちょっと酔いが醒めたとき、「ヤバイ、オレは何やっているんだろう』って思うみたいなんです。そういうお客さんに限って、『悪かったな』って帰りがけにチップをくれたり(笑)。だから、火に油を注ぐようなことをせず、理不尽でも誠意を持って対応しなければいけないと思いました」

――危険なことは?

「本にも書きましたが、寸借詐欺みたいなのはありました。あと、座席を傷つけられたとか、胸ぐらを掴まれたことはありますね。でも、タクシーをやって、そこから自分の世界が広がったようにも思います。タクシーって客観的に世の中を見られるんですね。お客さんの中には『こんな行動は昔、オレもしてたな』とか。たとえば、女の子を口説いて、失敗してため息ついて帰るお客さんとか。あと、女の子にタクシー代を渡して「これで帰りなよ」つて言って、その女の子は家まで帰らず、近くの駅で降りちゃって、ちゃっかりお釣昨をポケットに入れちゃって。「俺もお金を渡したことがある。女の子にそういうふうにされていたんだな」つて(笑)。あと、時間の使い方も巧くなりました」

――お客さんを拾う『効率』の話もそうですが、やはり、時間は大切ですか?

「戦略、こうして、こうして、こうしよう。一つのストーリーを作るんです。夕クシーの仕事中に。それがよく嵌まるんです。戦略って重要で、つまりイメージトレーニングですよね。ずっと考えて行動していれば、現実的になっていくということがわかりました。何でもそうだと思うんですが、時間マネジメント。時間を有効に使うことができる人、時間の使い方が巧い人にとっては凄い…。僕も若いときは無駄に時間を使っていたんですが、タクシーに乗るようになって時間の使い方を凄ぐ勉強させていただいて、時間マネジメントをすることが本当のステップ、次に繋がっていくんだろうなって多々思いますね。目標、時間を巧く使って、自分の感情を殺せば、乱暴なお客さんの言動があったとしてもイライラすることもありません。そういうところを冷静に見られるようになったのも良かったと思います」

――書籍の第2弾の構想なあると聞いていますが?

「タクシーの運転手をやっていると犯罪の匂いがプンプンする人を乗せることもあるんですよ。尾行していたら、何か色々なところに繋がるんじゃないかって(笑)。タクシー刑事みたいな。やはり、父の背中を追っかけているというか、そんな部分もあるのかもしれないですね。父親を超えたいとは思いませんけど、近づきたいとは思います。 タクシー業界のことにしても、イメージアップにも繋げていきたいですね。凄く気楽ですし、空いた時間で勉強すれば学校仁行くことも出来るでしょか・。何か志を持って、夢を持ってこの業界に飛び込めば、次のステップへの一つとして夕クシーという職業は魅力的だなって思いますね」 現状に満足せず、自身の一日を振り返る。目標を立てて、イメージトレーニングをする。時間を有効に使う――。成功はちょっとした工夫から始まる。偉大な父・志茂田景樹氏同様、大気さんも36歳が人生の転機となったようである。


1976年生まれ。直木賞作家・志茂田景樹氏の二男。
幼少より役者、タレントとして活動した後、芸能プロダクションなどの仕事に従事。 その後、2009年よりタクシー乗務を開始すると、瞬く間にトップドライバーに。その体 験を綴った「タクシーほど気楽な商売はない」(光文社刊)を上梓したほか、多方面で活躍している。


週刊実話 2012年10月25日号